工場や倉庫で「LED照明に交換したのに、すぐカバーが割れてしまった」「以前より照明が暗く感じる」とお悩みではありませんか。実は、加工現場特有のオイルミストが照明器具に深刻なダメージを与えているケースが多くみられます。過酷な環境でも安全に点灯し続ける照明選びのコツを、専門的な視点から分かりやすく紐解いていきましょう。
オイルミスト環境でLED照明のカバーが割れる・暗くなる原因
「LEDならどれでも同じ」という思い込みが招くトラブル
LED照明を導入する際、明るさや価格だけを見て製品を選んでいませんか。
実は、工場や加工現場の環境に適していない照明を選んでしまうと、予期せぬトラブルにつながることがあります。
特に金属加工や食品加工の現場では、空気中に細かい油の粒子であるオイルミストが常に舞っていますね。
このオイルミストが照明器具に付着すると、一般的なLED照明の樹脂製カバーに深刻なダメージを与えてしまうのです。
現場の安全を確保するためには、製品のスペックを正しく読み解き、環境に合わせた照明を選ぶ視点が欠かせません。
オイルミストによる樹脂製カバーの劣化
工場の空気に含まれるオイルミストが樹脂製カバーにつくと、表面に油の膜ができ、この油膜により樹脂の表面が少し柔らかくなり、応力が集中しやすい部分ができます。
その応力が集中した部分から、目では見えない小さなクラック(ひび割れ)が生じます。発生したクラックから油分が内部へ浸透すると、樹脂の強度がさらに低下します。その結果、クラックが拡大し、最終的には応力割れ(ESC)へと進行します。
応力割れ
応力割れ(ESC:Environmental Stress Cracking)は、樹脂が油や薬品などの化学物質と応力の影響を同時に受けることで発生する劣化現象です。
樹脂製カバーのひび割れ(クラック)が引き起こす照度低下
では、樹脂製カバーにクラックが生じると、現場にどのような影響が出るのでしょうか。
まず挙げられるのが、照明が本来の明るさを発揮できなくなるという問題です。
樹脂製カバーにごく小さなクラックができると、まず白っぽく濁る初期症状が現れます。そこへ油が入り込むとクラックがさらに広がり、レンズ面の白濁が進行します。
この”クラック+油”の組み合わせで劣化が進むと光をうまく通さなくなり、白濁による光の散乱や黄ばみが起きて、照明の明るさが低下し、光色にも変化が生じる場合があります。
その結果、照度ムラが出たり、最終的には樹脂製カバーが破損してしまうことがあります。
落下リスクと現場の安全確保
深刻なのが、劣化が進んだカバーが割れて落下する危険性です。
高天井に設置された照明器具から樹脂の破片が落ちてくれば、下で働く作業者にケガをさせてしまう恐れがあります。
精密機械や製品の上に落下すれば、高額な損害やラインの停止といった事態にも発展しかねません。
こうした事故を防ぐためには、油煙が蔓延する環境でもクラックや破損が起きにくい素材を採用した専用モデルを選ぶ必要があります。
例えば、発光面のカバーに透過率の高い強化ガラスを採用したオイルミスト(油煙環境)対応のLED照明器具などが効果的です。
強化ガラスであれば、油成分による樹脂のクラックや破損を防ぎ、長期間にわたって安全な環境を維持できます。
環境に合わせた素材選びの比較
ここで、一般的な樹脂カバーと強化ガラスカバーの違いを整理してみましょう。
| 比較項目 | 一般的な樹脂(ポリカーボネート) | 強化ガラス(オイルミスト対応モデル) |
|---|---|---|
| オイルミストへの耐性 | 低(クラック発生のリスクあり) | 高(油成分によるクラックや変形を防ぐ) |
| 長期的な明るさの維持 | ひび割れや汚れの内部侵入により低下しやすい | 透過率の低下が少なく、定期的な清掃により明るさを維持しやすい |
| 安全上のリスク | 劣化によるカバー破損・落下の危険性がある | 高い強度を持ち、破損による落下リスクを低減 |
このように、設置する環境の特性を正しく把握し、それに耐えうる素材を選定することが、結果的にランニングコストを抑える近道になります。
長く安全に使い続けるための視点
日本国内で販売される電気製品には、電気用品安全法に基づいたPSEマークが表示されています。
これは基本的な安全基準を満たしている証拠ですが、過酷な工場環境においては「基準を満たしていること」と「現場で長く使えること」は必ずしもイコールではありません。
オイルミストが舞う加工場では、カバーの素材だけでなく、本体の構造や金属部品の耐食性も重要なチェックポイントになります。
例えば、ステンレス製の取付アームを採用した製品であれば、サビや腐食に強く、強度と軽量化を両立させることができますね。
過酷なオイルミスト環境でも長期間の使用を想定した専用モデルを選ぶことで、現場の稼働停止リスクを低減できます。
自社の工場に最適な照明環境を整えるために、まずは現場環境の状況を一度見直してみませんか。
オイルミストに打ち勝つ専用LED照明の選び方
稼働を止めない高耐久設計の重要性
現場の状況を見直した結果、一般的な樹脂カバーでは不安が残る場合は、特殊環境に特化した専用モデルの導入を検討してみてください。
例えば、弊社のオイルミスト対応モデル「OILシリーズ」のLED照明は、油煙が蔓延する過酷な現場を想定して設計されています。
発光面には透過率の高い強化ガラスレンズを採用し、油成分による樹脂のクラックや破損をしっかりと防ぎます。
さらに、サビに強いステンレス製の取付アームを採用することで、強度と軽量化を両立させています。
OILシリーズの詳しいスペックとラインアップはこちらからご覧ください。
照度計算と補助金活用でコストを最適化
専用モデルを選ぶことと同じくらい大切なのが、現場に合わせた光の配置と費用の最適化です。
専門的な視点から照度計算を行い、必要な明るさを論理的に導き出します。
また、照明の導入には、補助金や税制優遇を活用できるケースが多くみられます。
専門家が適合診断からサポートすることで、実質的な導入コストを大きく抑えることができます。
オイルミスト環境に適したLED照明を選ぶことで、安全性・照度維持・メンテナンスコストの改善が期待できます。現場環境に合わせた最適な機種選定や照度計算について、お気軽にご相談ください。
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特殊環境用LEDの必然性についてはこちらのページもご覧ください
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