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海外で普及が進むオゾン水とは?導入状況・活用分野・メリットをデータから解説

目次

環境負荷を抑えながら衛生管理の水準を高める方法として、海外で注目されているのが「オゾン水」です。

オゾン水は、酸素原子3個からなるオゾン(O₃)を水に溶かしたものです。強い酸化力を持つことから、水処理、食品加工、農業、製造業など、さまざまな現場で活用されています。

一方で、「海外ではオゾン水が何%普及しているのか」と疑問を持つ人も多いでしょう。しかし、オゾン水だけを対象に、国別の導入率や施設普及率を集計した統一的な公的統計は、現時点ではほとんどありません。

そのため、海外での普及状況を正しく把握するには、単純な普及率ではなく、各国の規制、行政機関による認可、利用分野、導入事例などを確認する必要があります。

本記事では、海外でオゾン水の導入が進んでいる背景や主な活用分野、企業が導入するメリット、注意点について解説します。

オゾン水とは

オゾン水とは、オゾンを水中に溶解させたものです。

オゾンは反応性が高く、水中の微生物や有機物などと反応します。その性質を利用し、洗浄水や処理水の衛生管理、水道・排水処理、食品加工工程などに用いられています。

世界保健機関(WHO)は、オゾンを水処理に使用できる強力な酸化剤として位置付けており、有機化学物質の酸化や一次消毒などに利用できるとしています。

また、米国環境保護庁(EPA)も、オゾン消毒を排水処理に利用する技術について解説しています。海外では、オゾンを単なる除菌用品としてではなく、水処理を支える技術の一つとして扱っていることが分かります。

海外におけるオゾン水の普及率は?

オゾン水の世界共通の普及率を示す統計は現在公開されていません。用途や導入設備が大きく異なるため、各国では導入率ではなく制度や認可状況、利用分野から普及状況を判断するのが一般的です。

浄水場、排水処理施設、食品工場、飲料工場、農産物の加工施設など、用途によって設備の規模や導入目的が大きく異なります。そのため、家庭用製品から大型の産業用設備までを一つの普及率として集計するのは困難です。

ただし、次のような公的事実から、海外で実用技術として定着していることは確認できます。

地域・機関オゾンの位置付け・活用状況
米国FDA食品の処理・保存・加工に用いる抗菌剤として、気相・水相のいずれでも適正製造規範などの条件下で使用が認められている
米国EPA排水処理におけるオゾン消毒について、適用条件や設備構成、長所・課題を技術資料で紹介している
WHOオゾンを飲料水処理に利用できる強力な酸化剤・一次消毒技術の一つとして整理している。ただし残留消毒効果がないため、他の処理との組み合わせが一般的
欧州ナチュラルミネラルウォーター・スプリングウォーターから鉄、マンガン、硫黄、ヒ素化合物を分離する処理について、オゾン濃縮空気の使用条件を制度化している
食品加工分野農産物の洗浄水や搬送水などの衛生管理にオゾンを使用した事例が確認されている

つまり、オゾン水は一時的な流行ではなく、北米や欧州を中心に、水処理と食品衛生の分野で制度的な枠組みの中に組み込まれている技術だといえます。

アメリカで進む食品分野への導入

米国では、食品加工分野におけるオゾン利用のルールが整備されています。

米国食品医薬品局(FDA)は、気体および水に溶かしたオゾンについて、食品に使用する抗菌剤として安全に使用できる条件を定めています。対象には食肉や家禽を含む食品の処理、保存、加工などが含まれます。

FDAは、リンゴジュースやサイダーの製造事業者向け資料でも、オゾンが一定の食品加工に使用できる抗菌剤であることを示しています。オゾン処理は、有害な微生物の低減を目的とした工程の一つとして検討されています。

さらに、青果物の衛生管理に関するFDAのガイダンスでは、包装・加工施設において、洗浄水やフルーム水を衛生的に保つ目的でオゾンが使用されてきたと説明されています。

こうした制度やガイダンスの存在は、オゾン水が食品業界で実用段階にあることを示す重要な材料です。

欧州におけるオゾン技術の位置付け

欧州でも、オゾンは水処理や食品関連施設で利用されています。

EUでは、ナチュラルミネラルウォーターやスプリングウォーターの処理方法に一定の規則が設けられています。処理方法を自由に選べるわけではなく、製品の性質や安全性を維持するため、EUレベルでの評価や認可が必要です。

欧州委員会が公開する衛生管理ガイドにも、ミネラルウォーターやスプリングウォーターの処理におけるオゾン濃縮空気の使用に関する記載があります。

このように欧州では、オゾン技術を無条件に推奨するのではなく、用途、濃度、設備、対象物などを管理しながら活用する考え方が取られています。

環境負荷の低減だけでなく、法令や品質管理基準に沿った運用が重視されている点も、欧州市場の特徴です。

海外でオゾン水の導入が進む5つの理由

1.薬剤使用量の削減につながる

オゾン水は、現場に設置した装置で水と原料ガスなどから生成する方式が一般的です。

用途によっては、購入・保管・補充が必要な洗浄剤や薬剤の使用量を減らせる可能性があります。薬剤容器の廃棄や在庫管理の負担を見直せる点も、企業にとって導入を検討する理由になります。

ただし、すべての薬剤をオゾン水に置き換えられるわけではありません。汚れの種類や対象物、必要な衛生基準に応じて、既存の洗浄工程と組み合わせることが重要です。

2.水処理との相性がよい

オゾンは、水道水や排水の処理に利用されてきた実績があります。

WHOは、オゾンについて、消毒だけでなく有機物の酸化など複数の用途があると説明しています。EPAも排水処理におけるオゾン消毒技術を紹介しており、水処理分野は海外での代表的な用途といえます。

3.食品に直接関わる工程で活用できる

米国では、定められた使用条件のもと、オゾンを食品加工用の抗菌剤として利用できます。

青果物、食肉、飲料などの製造現場では、原料の洗浄、加工水の管理、設備周辺の衛生維持など、複数の工程で応用が検討されています。

4.残留物を抑えやすい

オゾンは反応後に分解して酸素へ戻る性質があります。そのため、適切に運用すれば、洗浄対象に薬剤成分を残したくない工程で選択肢になり得ます。

ただし、「必ず何も残らない」「どの条件でも安全」と考えるのは適切ではありません。水質によっては臭素酸などの副生成物が生じる可能性があるため、水処理では原水の成分やオゾン注入量を管理する必要があります。

5.環境配慮型の設備投資として説明しやすい

薬剤使用量、容器廃棄物、洗浄工程、使用水量などを見直す取り組みは、企業の環境方針とも結び付きます。

オゾン水設備を導入する際は、「環境によい」という抽象的な表現だけではなく、導入前後の薬剤購入量、廃棄物量、作業時間、使用水量を測定することが大切です。

数値で効果を示せれば、社内の投資判断だけでなく、取引先への環境対応の説明にも活用できます。

オゾン水の主な活用分野

海外でオゾン水やオゾン処理が利用されている主な分野には、次のようなものがあります。

食品工場では、野菜や果物などの原料洗浄、加工水・搬送水の管理、製造設備周辺の洗浄などに活用されます。

飲料製造では、製造用水や容器、配管などの衛生管理に利用される場合があります。

水処理施設では、飲料水の処理、臭気成分の低減、有機物の酸化、排水の消毒などが主な用途です。

農業・水産業では、収穫物や水産物の洗浄、使用水の管理などへの応用が考えられます。

このほか、製造業や商業施設でも、工程水の管理や洗浄作業の効率化を目的として導入されることがあります。

導入前に確認すべき注意点

オゾン水は、装置を設置すれば自動的に十分な効果が得られるものではありません。

導入前には、対象となる微生物や汚れ、必要なオゾン濃度、接触時間、水温、水質、使用量を確認する必要があります。また、オゾン水から放出される気体を作業者が吸い込まないよう、換気や濃度監視も重要です。

EPAは、空気清浄を目的として高濃度のオゾンを室内に発生させる装置について、安全性や有効性に関する注意を呼びかけています。オゾン水を使用する場合も、気相中のオゾン管理を含め、メーカーの仕様と労働安全上の基準に従わなければなりません。

導入を成功させるためには、次の数値を事前に設定するとよいでしょう。

・現在の薬剤購入費
・月間の薬剤使用量
・洗浄作業にかかる時間
・使用水量と排水量
・菌数検査などの衛生指標
・設備の保守費用
・投資回収までの想定期間

これらを導入前後で比較することで、費用対効果を客観的に判断できます。

まとめ|海外の実績を参考に、自社に適した導入を検討する

オゾン水について、世界共通の普及率を示す公的データはありません。

しかし、WHOが水処理技術として整理し、米国FDAが食品加工における抗菌用途を認め、EPAが排水処理技術として情報を公開していることからも、海外で実用化が進んでいることは明らかです。

特に、水処理、食品加工、飲料製造、農産物の洗浄といった分野では、制度やガイドラインに基づく活用が進んでいます。

オゾン水を導入する際に重要なのは、「海外で普及しているから採用する」という考え方ではありません。自社の衛生課題を明確にし、薬剤使用量、作業時間、水質、必要な処理能力などを数値化したうえで、既存方式と比較することが重要です。

適切な設備設計と安全管理を行い、導入効果をデータで検証できれば、オゾン水は衛生管理の向上と環境負荷の低減を両立する有力な選択肢になります。

オゾン水に関するよくある質問

海外でのオゾン水の普及率は何%ですか?

世界共通の算出基準による公的な普及率はありません。国別の認可状況、導入分野、処理施設数、関連市場の動向などを組み合わせて判断する必要があります。

オゾン水は食品工場で使用できますか?

国や地域の法令、対象食品、使用目的によって異なります。米国では、一定の条件下で食品の処理、保存、加工に使用する抗菌剤として認められています。

オゾン水は薬剤を完全に代替できますか?

すべての洗浄剤や消毒剤を代替できるとは限りません。汚れの種類、対象物、必要な衛生水準によっては、洗剤やほかの衛生管理方法との併用が必要です。

オゾン水導入の効果はどのように測定しますか?

薬剤費、薬剤使用量、作業時間、使用水量、廃棄物量、菌数検査の結果、設備維持費などを導入前後で比較します。目的と評価指標をあらかじめ設定することが大切です。

試験データを確認してから導入を検討したい方へ

Aqreateでは、低濃度オゾン水生成器「03clean」に関するウイルス、細菌、臭気の試験報告書を公開しています。

製品の導入にあたっては、期待される作用だけでなく、生成されるオゾン水の濃度や使用条件、対象物との相性などを確認することが重要です。

公開されている試験データや製品仕様をご確認いただき、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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